ふれあい給食「小太郎米の日」

「ごはん給食」は子どもを守るだけでなく地域も再生させる!

 

・ふれあい給食「小太郎米の日」

「いってらっしゃい!」と毎日送り出し、「おかえり!」と出迎えるその間の毎日の大事なこと「給食」。

安心して仕事や家事に集中できますね、子育て中のお母さんの日常です。

その給食を「ごはん給食」に変えていくことで子どもたちの心と身体の健康だけでなく、地域も健康になるとしたらいかがでしょうか。

 

大多数のお母さん方は、学校を信じて任せていらっしゃると思います。

ですが、どうも、子どもたちの健康以上に優先されていることがあるようです。

「コスト」「効率」「予算」などの側面から仕入れる側の利権も絡んでいるのでしょうか。

例えば牛乳、その成分カゼインの代謝が子どもの負担になっているだけではなく、アレルギーの起因要素でもあり、発がん物質説も取り沙汰をされています。

お母さん方の中には危険性を考えて学校に牛乳をやめさせようとされている方もいます。

ですが、現実は「小太郎米の日」のごはん給食でも当たり前のように出てきます。

地元のものでもなく、低温殺菌のものでもなく、どこで搾乳されたものかの説明もありません。「小太郎米の日」の牛乳は業界順位10位のメーカーです。

なぜそちらを選んだのかの説明責任も曖昧です。

(給食から牛乳がなくなったら倒産するから…でしょうか)

牛乳は一つの例にすぎませんが、地域によっては自校給食ではなく、「効率」からンター給食も多いと聞きます。

 

 

 

こうなるとご両親から遠すぎてブラックボックスになっていませんでしょうか。

幸い、私の地元塩尻市は全校自校給食です。

「小太郎米の日」を開催していただいた吉田小学校の栄養士の先生や調理師の皆さんは大変良心的で、外国産の食材は全く使っていらっしゃいません。

地元産の比率も50%に近いと聞きます。

残渣もものすごく少ないです。

一緒に食べている時も感動したのですが、もっとも感動したのは給食が終わって生徒さんと一緒に食器を調理室に返しにいった時です。

整列して「6年3組ごちそうさまでした」礼!ですよ皆さん。

担任の先生と生徒さん、栄養士調理師の皆さんとの信頼関係を強く感じました。

給食という行為がこんなに素晴らしいのだから、食材も負けないように子どもたちのために考えなければいけません。

 

「ふれあい給食」のつくり方は最後にご説明しますね。

 

・「食育」を教育の中心に

農学部がないのに有機JAS

全校で耕して、育てて、調理して食べる

 

有機JASを取得している学校があると聞きます。

恵泉女学園大学は農学部ではないのに日本の学校で初めて有機JASを取得しています。

オーガニックで1年畑仕事をして作物を食べると心豊かな女性に成長するといいます。

また、多摩市立愛和小学校では1年から6年まで愛和大豆を育てお豆腐を作ったり、その後根球菌を利用して愛和小麦を育て、ピザを焼くところまでやります。

見事にいじめがなくなり、6学年が兄姉弟妹みたいな関係になると言います。

農と食にはものすごい力があることがわかります。

 

・給食そもそも

日米地位協定の原型

「コメ余り」の犠牲?

 

第二次世界大戦後、米国の小麦、牛乳の余剰から昭和31年に「米国余剰農産物に関する日米協定」が締結される。

それからパンと脱脂粉乳の給食が始まる。

昭和51年には国内の「コメ余り」から古米古々米も給食に使われたと聞きます。

どうも「食べる子どもたち」よりも違う事情で決まっていった歴史があるようですね。

(日米の地位協定通りとも言えますが…)

実際に食べる子ども第一に直しましょう。

 

・給食の基本的な性格

 

家族以外の人と食べる

貧富が関係ない(貧困状況の子にとってはライフライン)

多額の金が動く 

少し古いデータですが1兆4千億円の市場規模(1988年調べ)と言われています。裏を返すとデータがないくらいオイシイ市場だと言えます。

岩盤利権が存在します。

全国給食会の参加に地域ごとの給食会が学校給食の仕入れを独占しています。

「コストが…」「効率が…」「予算が…」子どもたちの健康とは関係ないところで意思決定がなされています。

 

・危険な給食

 

 

小麦のポストハーベストや改良剤の混入、界面活性剤の添加などの原料の危険性。

それに付随した除草剤のグリホサートや防虫剤のネオニコチノイドの残留の危険性。

冒頭の「牛乳」問題など子どもたちを取り巻く環境は給食だけでなく危険でいっぱいです。

腸に異常をきたすリーキーガット症候群の子供たちも多いそうです。

「ごはん給食」とお味噌汁で子どもたちの健康を取り戻しましょう。

お味噌などの発酵食品は放射能などもデトックスできる*との研究もあります。

せっかく日本に住んでいるのですから、ユネスコ無形文化遺産に選ばれた「和食」に戻しましょう。

https://macrobiotic-daisuki.jp/hakkoshokuhin-kokateki-tabeawase-17892.html



・農水省は地産地消給食を進めています。

食育推進基本法の存在

 

「2006年食育推進基本法」地元産の比率を26.9%から30%へ、40%の学校もあると聞きます。

「学校給食への地場農産物の利用拡大に向けて」

http://www.maff.go.jp/tohoku/seisan/tisantisyou/pdf/0810_kyusyoku.pdf

省庁は、このように給食にも地産地消を適用していく意向のようですが、古い体質と慣れ合い、もたれ合いの学校給食会は対応できていないようです。

ここを少しづつでも変えていきましょう。



・「ごはん給食」のフォアランナーたち

生産者が活躍する、はくい市、いすみ市、入善町

 

石川県はくい市

ローマ法王に有機栽培米を寄進したことなどで有名な高野さんを中心に100%有機栽培米給食です。

https://macrobiotic-daisuki.jp/kyusyoku-sizensaibai-isikawaken-22309.html

 

千葉県いすみ市

民間稲作研究所の稲葉先生が中心となって有機栽培米給食です。

https://www.chibanippo.co.jp/news/local/449327

 

富山県入善町

生産者と農業公社のタッグで実現している素晴らしい循環型学校給食。

https://www.es-inc.jp/insight/2017/ist_id009208.html

 

・ごはん給食で「教育困難校」が再生された

 

私の住む塩尻市と同じ長野県の上田市には教育困難中学校を「ごはん給食」で改革した実例があります。

大塚貢校長が赴任した翌朝からの仕事は廊下に落ちているタバコの吸い殻拾いだったと聞きます。

朝ごはんの欠食が38%、授業中に倒れる生徒で保健室は常に満杯。

「食」にその問題点を見出して給食を「ごはん給食」に変えてから7ヶ月目にはタバコの吸殻は全くなくなったとのこと。

荒んでいた頃はガラガラだった図書館が時を同じくして満員盛況になったそうです。

https://www.chichi.co.jp/web/20181124uedashi_kyusyoku/

 

・フランスでは給食の有機野菜比率50%超が法律になっています。

 

 

Nagano農と食の会主催、SDGs未来都市長野県後援「信州発!持続可能な農業国際シンポジウム」の基調講演のために来日されていたカリフォルニア大学バークレー校名誉教授ミゲル・アルティエリご夫妻も「小太郎米の日」を聞きつけて「ふれあい給食」にご参加されました。

ご夫妻はアグロエコロジー*の世界的権威で、南米各国農業の有機化とそれを中心とした地域経済の再生に尽力されています。

もう一つの功績はフランスにおける給食の有機比率を高める法整備と聞きます。

私たちにもできると勇気をいただきました。

* アグロエコロジー(Agroecology)は世界で現在推進されている工業化された農業に対するオルタナティブと広く認知され始めている農業や社会のあり方であり、それを求める運動であり、科学のことを意味します。

http://altertrade.jp/alternatives/agroecology



・「地元経済を創りなおす」*

地元経済の再生には給食がうってつけ

 

「地元経済」を再生するカギは、漏れバケツの穴をふさぐことと著者の枝廣淳子さんはおっしゃいます。富山県の入善町を例にひかれ、お仕着せの学校給食会ではない地元の生産者と農業公社のサプライチェインを紹介されています。

徹底しています。

私は、ふれあい給食「小太郎米の日」をきっかけに、枝廣さんの描かれている通りにやってみます。

ここまでのことができるかどうかはわかりませんが、この本をお手本に「ごはん給食」で地元経済を再生することを目指します。

小学校の生徒さんたちが食育の一環で、自分たちが食べる給食のお野菜を近隣の生産者さんに聞きに行くなど経済効果だけではない拡がりも期待できます。

みなさんやって見ませんか!

まずは「ふれあい給食○○さんの日」!

*「地元経済を創りなおすー分析・診断・対策」枝廣淳子 岩波新書



・「○○米の日」(他のお野菜でも)ふれあい給食の進め方

 

地元の市民からの投書コーナーに「無農薬米を寄付したい」

と書き込みます(塩尻市の場合「しおじり声のひろば」)

翌日には市の農政課の方から申し出へのお礼と市の教育委員会で食材の調達などを司る総務課の担当者の紹介を受ける。

(結果的にですが、このご担当者さんの情熱がなければ実施出来なかったと思われます)

メールで地産地消の観点から地元で収穫された自然栽培米を寄付して食べてもらいたいと申し出ます。

一番近くて登校ルートにも面しているので「吉田小学校」ではどうかと申し添える。

全校生徒数は500人で1日のお米の量が38kg必要だと告げられる。

教育委員会と吉田小学校の判断を待つ。

快諾をいただき、日程調整に入る。

(後でわかったことですが、学校の現場では「食育」のネタを熱心に探していらっしゃいます)

生徒さんと一緒に給食をいただくことになります。

全校に放送も入ります。

感動します。

給食係の生徒さんと給食室に食器を下げて調理の皆さんにお礼をして終わり。

ね、簡単そうでしょ!

 

「ごはん給食」に変えることで、子どもたちを守るだけではなくて、地域の再生のきっかけになります。

状況がひとりでに良くなるなんてことはないので、小さくとも一歩を進めましょう。

 

 

 

 

是非ご一緒に!